《飢渇》 1943年



              《看護婦立像》1941年




          《編み物》 1945〜48年

「特定の国の風俗でも、
 事実に即した情景でもないが、
 我々の傷ましい悲劇的な前代を象徴するような
 「主題画」を描きたい…。
 そういう欲求が、
 永い間、私の気持ちの中に
 伏せられたままになっていた。」
        
―『アサヒグラフ』1951年1月31日号

 昭和の洋画壇を代表する一人として、宮本三郎(1905−1974)の名がとりあげられることは少なくありません。15歳にして故郷を離れ、川端画学校、関西美術院などに学び、二科展を中心に発表を重ねていた宮本は、1938年、初めての渡欧を果たします。

 彼はフランス、イタリア、スイスなどを巡り、西洋美術をじかに感受する幸福な外遊の時を過ごしましたが、第二次世界大戦の勃発により、この旅は一年を経ずして、突然に終わりを迎えました。

 帰国した宮本を待ち受けていたのは、戦時色に支配された日本の国情でした。若き日から、ただひたすらに画家をめざしてきた宮本にとって、戦争という生々しい現実との遭遇は、まさに濃厚な時代の潮流のただなかに、身を投じることにほかなりませんでした。そうしたなか、彼の名を広く世に知らしめたのは、≪山下・パーシバル両司令官会見図≫(1942年/東京国立近代美術館蔵)でした。戦争記録画の中でもひときわ注目されるこの作品は、今もなお、宮本三郎の名をにわかに想起させる一作です。

 本展では、1940年から1945年という激動と混迷の時代を軸とし、これに相前後する滞欧期、そして戦後の荒廃した時期のそれぞれに描かれた作品をご紹介いたします。さらに周辺資料として、宮本三郎が遺した厖大な蔵書から当時の世相を反映した書誌、また従軍した中国、フィリピンで撮影された写真を初公開し、時代の変遷と対峙した、画家・宮本三郎の足跡をたどります。

■ギャラリートークのご案内■
毎月第2土曜日に、学芸員が作品解説をしております。お気軽にご参加ください。くわしくは、こちらへ。

会期
2010年7月31日(土)→ 11月28日(日)

開館時間
午前10時〜午後6時(入館は午後5時30分まで)

休館日

休館日:毎週月曜日
※月曜日が祝休日の場合は開館、翌火曜日が休館

観覧料
一般 200円(160円)
大・高生 150円(120円)
中・小生、65歳以上、障害者の方(一般) 100円(80円)
※( )内は20名以上の団体料金 
※中・小生は土・日・祝日、夏休み期間は無料
※障害者で小・中・高・大学生、
および障害者の介護者(当該障害者1名に付き、1名に限る)は無料




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《死の家族》1950年