奥沢〜玉川田園調布〜自由が丘の地域にゆかりのある人物を講師にお招きし、毎回多彩なテーマでお届けする講演会「人ひろば」。第25回のテーマは「等々力渓谷の魅力と保存活動」です。
世田谷区南部に位置する等々力渓谷は、武蔵野台地の南端を谷沢川が浸食してできた、延長約1kmの、東京23区内で唯一の渓谷です。
講師は吉村俊雄さん。等々力渓谷のそばに長らくお住まいの吉村さんは、等々力渓谷保存会に入って15年、現在は副会長をつとめていらっしゃいます。

「等々力」の地名は、等々力不動尊から渓谷に下りた所にある「不動の滝」という滝の音が響きわたり「轟いた」ことからついた、との言い伝えがあるのだそうです。
ミズキ、スギ、ケヤキ、コナラ、カツラ、サワガニ、ホタル…など、たくさんの等々力渓谷の自然が写真で紹介され、お話は湧水、植生、地形、地質へと進みました。

渓谷内の日本庭園と書院の周辺には、竹林やみかん畑があり、子どもたちによるたけのこ掘りやみかん狩り体験が、等々力渓谷保存会によって行われています。
講演後は、そのような景観や植生を守るための、地域の保存会の方々のまちづくり運動について、熱心な質問が寄せられました。

夏でもひんやりとした渓谷内は木々が茂り、川のせせらぎや野鳥の声が聞こえ、渓谷のいたる所から水が湧き出ています。また、等々力不動尊の境内は、150本近いサクラをはじめ紅葉も美しく、自然豊かな樹林地となっています。
そんな見所についての質問が続き、みなさんますます等々力渓谷へお出かけしたくなった様子でした。



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